chikusa apartment

愛知県名古屋市千種区にある賃貸アパートのインテリアデザイン。物件はJR千種駅から徒歩5分のところにある築数十年の賃貸アパート。エレベーターもなく、階段を昇り続けた先の5階の一番奥の部屋の改装工事。周辺に新しい、きれいなアパートがたくさんある中でどうしたらこの古い、不便なアパートに入居してもらえるかということを考えた。賃貸物件の入居の判断において、『一般的』には新しい、綺麗、設備のスペックがいいということは重要な要素ではあるし、賃貸の特性上どんな人が入居しても良い様に、『一般的』な最大公約数的な内装になっていく。ただ、今回の古い物件に対してそれらを新築同様の状態にするというのはコストがかかり過ぎて賃貸物件の収支上意味を成さないし、他にもある『一般的』な賃貸アパートを作ったとしてエレベーターもない5階のこの部屋をわざわざ借りようという気にはならない。『一般的』な部屋探しをしている人に向けての部屋ではなく、『一般的』からズレている部分に魅力を感じてもらえる人に向けての部屋を作ることにした。既存の天井や、植物柄のクロス等、『一般的』ではない賃貸アパートではあるが、その個性がズレた感覚を持っている人には借りたいと思ってもらえる要素を生み出した賃貸物件になったかと思う。すぐに入居者が決まったようなので狙いはあっていたのかと思う。

インテリアデザイン  :柴田真和 中神さとみ(CARAMEL inc)
照明設計       :杉浦貴之(コイズミ照明)
施工         :飯沼彰康(ジースタイル)
竣工写真       :岡村靖子(VA)